組織

ミレニアル世代とZ世代の特徴!消費の違いと仕事意識の共通点を解説

ミレニアム世代とZ世代といった、各世代で分けられた言葉を耳にすることが多いですね。

「最近の若い人は何を考えているのか分からない」といって、相互理解の努力を怠る傾向があるかもしれません。

しかしそれぞれの世代には、生まれた背景や年代を考えると理解できる要素もたくさんあります

この記事は両世代の特徴と共通点や相違点などを示すことで、世代は違いながらも好感の持てる若者たちであることを強調するために書かれました。

世代間ギャップをなくし、共に良い意志疎通ができる関係を築くために参考にしていただければ嬉しく思います。
もちろん個々の人によって違いますが、全体として見られる傾向として捉えていただければと願っています。

興味深い内容ですので、最後まで読んでいただければ幸いです。

ミレニアム世代とは

ミレニアム世代は、1987年~2004年頃に生まれの「ゆとり世代」で、個性を伸ばす教育が行われた背景があります。


具体的な年齢は、2024年に28歳~43歳を迎えており、誕生した頃にはチェルノブイリ原発事故やベルリンの壁崩壊などがありました。


また2000年以降に社会進出したことから、新千年紀を意味する「ミレニアム」が語源となり、他の世代とは異質の独自の価値観を持つ世代として区別されています。


そして育った時代には、IT技術の成長も著しい時でインターネットが開始されたり、Windows95が発売されたりしたことも大きな特徴です。


なお、ミレニアム世代は、好景気の時代を経験したことで楽観的な傾向がある一方、2008年の経済危機の影響を真面に受けています。そうした好景気・不景気の両方を経験しているミレニアル世代は「理想主義」といわれています。


さらに「男女平等」の価値観を持ち、仕事や家事育児においても、家事は女性がすべきものという古い意識を払拭した世代といえるでしょう。

ミレニアム世代の5つの特徴

ミレニアム世代の特徴として下記の5つがあげられます。

  1. デジタルと活字のバランスが取れている
  2. 仲間意識が強く共感を大切にする
  3. 多様性・個性を尊重する
  4. 体験を優先し実用的である
  5. 社会問題への関心が高い
    5つの特徴について解説していきます。

1. デジタルと活字のバランスが取れている

ミレニアム世代は誕生時からIT技術が進化していく時代に青春期や成人期を過ごしてきました


いっぽう、活字への信頼感も持っており、情報源として雑誌や新聞も利用します。
つまり、紙媒体とインターネットの利用とのバランスが取れている世代といえるでしょう。


パソコンやスマホを自在に使いこなす一方、人とのつながりを求め、信頼できると思ったSNSのインフルエンサーの口コミなどを参考にして商品情報を入手する傾向もあり、インフルエンサーの発言が広告より効果を発揮する場合があります。

2.  仲間意識が強く共感を大切にする

ミレニアム世代は、SNSなどのツールを多用する傾向が強く、自身についての情報を発信し共有し、共感されることを求め承認欲求が強い人が多いです。


また誰かの体験なども共有してもらい、共感することを重視して仲間意識を大切にします
またSNSのフォロワー数を気にし、他人からの評価や共感が信頼されている証拠とみなす傾向が強く見られるのもミレニアム世代の特徴です。

お金よりも人から信頼され共感されることに価値を感じている世代といえるでしょう。

3. 多様性・個性を尊重する

多様性や個性を尊重するのもミレニアル世代の特徴です。

4.体験を優先し実用的である

物を所有するより体験することに価値を見出し、そこにお金を払おうとする傾向があります。


前の世代では、マイホームやマイカーがステータスでしたが、ミレニアム世代は所有することへの執着は少なく、コストパフォーマンスを重要視しています


ですから所有するより実用的な共有する方を重視し、カーシェリングやシェアハウスも一般的に活用する場合が多いです。


またブランド志向の人も多いですが、個性豊かで実用的であるかどうかも判断基準にしています。


さらに「モノ」より「コト」を大切にし、共感できることや自分だけの体験といった心を動かされる「コト」にお金を払うことをいとわない傾向があります。

5.社会問題への関心が高い

ミレニアム世代は、さまざまな社会問題に取り巻かれて育っています。
たとえば、2001年アメリカ同時多発テロ、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災など、大きな事件や災害を経験したり見聞きしたりした世代です。そうした体験から社会問題や環境問題への関心の高さがみられます

Z世代とは

Z世代とは、1996年ごろから2012年ごろまでに生まれた世代で、10代から28歳ごろをさす年代で世界共通の概念です。

Z世代とよばれる年齢は、小学生から社会人までと幅広いため、特徴としてひとくくりにできない要素も踏まえて解説していきます。


Z世代の多くが多感な小中学生だった2011年に東日本大震災があり、また近年ではSDGs(持続可能な開発目標)の情報が身近に取り上げられています。


またZ世代は、親が2008年のリーマンショックからの不景気を経験しており、幼少期から思春期に経済的・社会的に激動の時期を過ごしています。


特に18~20歳は「未来のこと」「お金のこと」に不安を抱いている傾向があり、Z世代は総じてミニレアル世代より現実的で安定を望む堅実な志向が特徴です。

Z世代の4つの特徴


1.デジタルネイティブで承認欲求が強い

Z世代は10代前後からすでにスマホやパソコンなどのデジタル機器を使いこなしています。


ミレニアム世代も似ていますが、Z世代にはさまざまなデジタル機器が揃い充実しているめ、ミレニアム世代より一層デジタルネイティブの度合いが強いです。
またSNSへの依存度も深く、情報収集やコミュニケーションをとるツールでは欠かせない存在といえるでしょう。
さらにミニレアル世代と類似していますが、SNSでの仲間意識と承認欲求は一層の強さがみられます。


いっぽうZ世代は情報をほとんどSNSのコンテンツから得ており、活字離れが進み読書の習慣も減っている傾向があります。

2.コスパと「タイパ」を重視

Z世代はコスパとタイパの両方を重要視します。
コストパフォーマンスは費用対効果で、支払ったお金に見合うような効果があったかを考え、「タイパ」つまりタイムパフォーマンス(時間対効果)では、短時間で満足感を得られるたかどうかに価値を見出そうとします。


つまりお金と時間の両方の価値を大切にするわけです。


タイパを象徴する行為として、動画を「倍速視聴」したり「スキップ再生」することで、それをする人がZ世代のおよそ半数を占めている点です。


お金もコンテンツ消費もタイパ重視の傾向が大きく見られます。

3.自分にとって長期的な価値のある消費行動


4.社会問題への関心が強い

Z世代は、2011年の東日本大震災や、台風など気候変動の災害が急増を身近に感じる新しい世代といえます。
そのため社会問題や環境問題への関心が高くみられます。


SDGsへの強い関心を持ち、ジェンダーや貧困へも親世代や政府の理解が不足していると感じ、多様性を重要視した問題意識も持っています。


ミレニアム世代とZ世代の共通点

前述した特徴から共通点を3つ整理してみました。

  1. デジタルコ機器を使いこなし、SNSでの仲間意識と共感を大切にする
  2. 社会意識・社会貢献の高さ
  3. 多様性を尊重し偏見が少ない
    上記についてまとめます。

1.デジタルコ機器を使いこなし、SNSでの仲間意識と共感を大切にする

両世代ともに日常生活に欠かせないくらいデジタルコンテンツを使用しており、その進化にも対応し、SNSを通した仲間意識や共感を大切にしています。

またZ世代では、同じ仲間意識でも自分と合う人とのみと繋がっていたいという傾向がみられます。

2.社会意識・社会貢献の高さ

大地震や災害が頻繁に起きた時代に成長しているため、環境問題・社会正義への関心を深く持っています。
2015年国連サミットでSDGsが話題になり環境への意識や社会情勢などで、モノを多く持たない傾向があります。


社会貢献への意識も高く、企業や組織にも提起し期待します

3.多様性を尊重し偏見が少ない

両世代共にインターネットの普及で国、性別、職業やさまざまな異文化にも触れているため、個人を尊重した多様性を受け入れ偏見の少ない世代です。


特にZ世代は社会の不平等が問題になる背景で育ち、人種差別やジェンダー、男女格差に敏感で関心が高く、多様性の中に自分らしさを見つけようとします。       

ミレニアル世代とZ世代の消費にみられる5つの違い

ミレニアル世代とZ世代では、育ってきた背景が社会的にも経済的にも異なるため両世代にも違いがみられます。

違いは下記の5つがあげられます。

  1. デジタルテクノロジーへの依存度
  2. 消費を決定する時の決め手
  3. 消費する際の重視する基準
  4. ブランドに対する見方
  5. 広告への反応の仕方

1.デジタルテクノロジーへの依存度

ミレニアム世代:デジタル機器が普及しだした頃に育ったため、非デジタルとの馴染みも深く、両方のバランスが取れています。

Z世代:誕生の時からすでにインターネットなどデジタル機器に囲まれた日常であったため、デジタルテクノロジーに依存する傾向が強いです。

2.消費を決定する時の決め手

ミレニアル世代:商品購入前にSNSなどでしっかり調べ、友人・家族の意見も取り入れるとともに、オンラインレビューも大きな影響を与えます。

3.消費する際の重視する基準

ミレニアル世代:オンラインショップと実店舗の両方を利用します。前述しましたが「モノ」を所有するより、「コト」に価値を見出し購買したものからできる経験を重視する傾向があります


「モノ」については「必要最低限あればいい」ミニマリストも多くみられますが、「共感できる特別な体験」など、心が動かされるコトには、お金を惜しまない人も多いです。


つまり消費をたくさんするより、商品の個性やストーリー、顧客としてかけがえのない体験を重視し価値を見出すと言っていいでしょう。

Z世代:オンラインショッピングが中心でモバイルを使用した購入が目立ちます。支払いは仮想通貨などの様々な支払い形態を求め、経済的に不安定な時代に育った背景から価格に敏感です。


品質やブランドのストーリー性も重視しますが、ミレニアム世代との違いは、より個性的な商品を好む傾向が強く見られます。

4.ブランドに対する見方

ミレニアル世代ブランド志向が高く、長期的な付き合いを望みます

Z世代人気の高いブランドを好む一方で、他と差別化できるブランドも求めるため、企業にとって心が掴みにくい年代といえます。

5.広告への反応の仕方

ミレニアル世代情報が透明で信頼できるコンテンツからの評価に影響を受け、友人・家族の推薦やレビューを重視します。
デジタル広告に反応しますが、過度な広告には抵抗を持ち疑う傾向がみられます。

Z世代SNSの投稿に関心が強く、インフルエンサーやタレントが発信した写真で「かわいい」「おしゃれでかっこいい」というきっかけで興味を持ちます。

ミレニアム世代とZ世代の仕事などへの共通の意識

ワークライフバランスを重視した、柔軟な働き方を求める世代の共通した働く意識と、彼らとの接し方のコツなどを全部で4つ解説します。

  1. 自由度の高い柔軟な働き方を求める
  2. ワークライフバランスを重視する
  3. 転職への抵抗感が少ない
  4. 上司・先輩として接し方のコツを掴む

1.自由度の高い柔軟な働き方を求める

Z世代に特にみられるのは、会社に縛られず副業またはギグエコノミー(=インターネットで単発で働く)という自由度の高い働き方を望み、起業志向が強い傾向があります。


両世代とも「終身雇用」や「年功序列」といった考えはなく、定時やオフィスに拘束されるより、「フレックスタイム制」「リモートワーク」など自分のペースで自由度の高い働き方を望んでいます。

2.ワークライフバランスを重視

プライベートの充実を重視しているため、仕事と両立できるワークライフバランスを大切に考えます


観光地などでテレワークを行う「ワーケーション」など仕事と遊びが合わさった働き方を好む傾向が強くあります。


またプライベートを犠牲にしないため、仕事では効率を重視し残業は好まない人が多くみられます。ゆえに「有給がとりやすい」「週休3日制」なども重視しています。


そして家事や育児については、男女平等の意識が浸透しているため育児休暇を取ることに抵抗がなく、また家族との時間を優先し転勤を回避したいと考えています。


つまり仕事はあくまで自分の生活をしていく手段という割り切りが強く、プライべートで得られる充実感や幸福感を大切にしているのです。

3.転職への抵抗感が少ない

多様性や自分らしさを大事にする価値観は、自分の理想のキャリアが実現しないと判断すると、活躍できる場を求めて転職や副業、起業などの行動に移します。


両世代は転職をポジティブに捉えており、「第二新卒」の言葉が広く使われだしました。つまり新卒で入社した会社を約3年以内に退職した人が大勢存在するようになったのです。


ただしバブル崩壊から就職氷河期を経験したミレニアム世代の中には、転職に慎重な人もいます。

4.上司・先輩として接し方のコツを掴む

両世代は仲間意識と共感を求めるため、対話の機会を作りプライベートを含めた相手の価値観を尊重し、話に耳を傾けて理解を示し、信頼関係を築くことが大切です。


また社会問題や社会貢献にも関心があることから、企業がもつ社会的な意義やストーリー性を強調し、仕事の意味や目的を明確に伝える必要があります。


両世代の強みはデジタルネイティブで多様性を尊重することですから、デジタルテクノロジーへの積極的な取り組みや、偏見のない価値観を受け入れる姿勢は重要といえるでしょう。

両世代の可能性を最大限に引き出し、情報共有とスムーズな業務の進行を行うことで、両世代の心をつかんでください。

まとめ

ミレニアム世代とZ世代の特徴や共通点と相違点、仕事に対する意識などを解説してきました。

消費活動の相違点や仕事に対する共通点などから、どういった関わり方ができるかの参考にしていただけたのではないでしょうか?

デジタルネイティブな強みを持つ両世代と、多様性を尊重した生き方に共感を覚えた方も多いことでしょう。

両世代の良さと可能性を認め、年代の違いを考慮に入れながらも、良い意志疎通を図り世代間のギャップをなくしていければと願っています。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


記事の監修者
   ビジネストレーニング事業部
   

ビジネストレーニング事業部

社員研修の専門家チーム。数多くの研修プログラムを開発し、中小企業から大手企業まで200社以上の実施実績がある。 それらのノウハウをまとめた「ビジネスパーソンのためのボトルネックブレイクⅠ」等の著書も出版している。