新入社員研修を計画する際、期間をどのように決めたらよいか、お悩みではないでしょうか。
新入社員にとっては社会人生活が始まって間もない時期のため、無理しすぎないように配慮しつつ、しっかりと学べる期間を定めたいと思うでしょう。
企業の規模や方針、業種などによって異なりますが、新入社員研修の平均期間は1カ月から3カ月が一般的です。
本記事では、これまで数々の企業様にて研修を行ってきた私たちが、新入社員研修の平均期間や期間を決める方法、研修内容などについて解説します。
新入社員研修を成功させるポイントも紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
Contents
新入社員研修の平均期間は1カ月から3カ月
新入社員研修の平均期間は、企業の規模や業種などによって異なりますが、1カ月から3カ月が一般的です。また、事務系と技術系によって期間が異なる場合も多いと言われています。以下の内容についてそれぞれ解説します。
- 事務系の研修
- 技術系の研修
- 事務系と技術系で研修期間が異なる理由
事務系の研修
事務系研修の場合、期間は1カ月から3カ月が多いと言われています。事務系の研修では、自社の事業内容やビジネスマナーなどを学ぶのが一般的です。
一般事務などの専門的な知識が不要な場合は、2週間ほどで研修が完了する場合もあります。一方、専門的な知識を必要とする事務系総合職の場合は、研修期間を3カ月程度とする企業が多いと言われています。
技術系の研修
技術系研修の場合、3カ月程度の期間が一般的です。自社の事業内容やビジネスマナーの他に、高度な専門知識や技術を学びます。技術系のスキルは習得するのに時間がかかるため、研修期間が3カ月を超える場合も多くあります。
事務系と技術系で研修期間が異なる理由
事務系と技術系で研修期間が異なる理由は、技術系の方がより専門的な知識が必要なためです。技術系の新入社員は工場などに配属される場合が多いため、企業独自の知識や技術を身につけるまでに時間がかかります。そのため、3カ月またはそれ以上時間をかけて、じっくり学ぶ必要があります。
新入社員研修の期間を決める方法
新入社員研修の平均期間は1カ月から3カ月ですが、その期間をどのように決めているのかと思われるのではないでしょうか。研修期間を決める方法は以下のとおりです。それぞれ解説します。
- 研修の目的やゴールを設定する
- 研修内容を決定する
- 研修内容を考慮して計算する
研修の目的やゴールを設定する
研修期間を決めるために、まずは研修の目的やゴールを設定します。目的やゴールが定まらないと、何のために研修を受講しているのか分からなくなるため、新入社員の意欲低下につながります。
「新入社員に自社の経営理念や事業を理解してもらう」「一般的なビジネスマナーを身につけてもらう」「配属後すぐに実践できる高度な知識を学んでもらう」など、目的やゴールを決定します。
研修内容を決定する
研修の目的やゴールを設定した後は、どのような研修を行えばよいのかを具体的に検討します。配属後、新入社員が業務を行なう際に必要だと思われるスキルをピックアップしましょう。
研修内容だけでなく、進め方も工夫すると効果的です。座学だけでなく、チームに分けてディスカッションやロールプレイングを実践すると身につきやすいため、より深く理解できるでしょう。
研修内容を考慮して計算する
研修は講義型やディスカッション、オンラインなどさまざまな方法があります。過去に行われた研修を参考にしつつ、研修期間を計算します。ディスカッションなどのグループワークを含める場合、講義型やオンライン研修よりも多くの時間を確保します。
研修期間は以下の日程が目安です。
企業理念や経営方針:1日 ビジネスマナー研修:2~3日 コミュニケーション研修:1~2日 ロジカルシンキング研修:1~2日 |
研修が長すぎると感じる場合は、内容を再検討しましょう。研修期間が長すぎると新入社員のモチベーションが下がるうえに、無駄なコストがかかります。
新入社員研修の期間を決めるポイント
新入社員研修の期間を決めるポイントは以下のとおりです。
- 研修内容を一覧にして判断する
- 詰め込みすぎないようにする
- 研修会社に相談する
研修期間が短すぎるとスキルが身につかず、長すぎると集中力の低下やコストの問題が発生します。前年の研修担当に確認し、昨年の結果を分析したうえで見直しをするとよいでしょう。
新入社員研修の期間を決めるポイントについて、それぞれ解説します。
研修内容を一覧にして判断する
新入社員研修ではさまざまな内容を学習します。研修内容を一覧にして俯瞰すると、行うべき順番や優先度などが一目で分かるため、無駄なく充実した研修が開催できます。研修期間を調整するのにも役立つでしょう。
詰め込みすぎないようにする
新入社員研修を開催する際は、学ぶ内容を詰め込みすぎないようにします。理解が追いつかないまま次の研修に進むと辛く感じ、気力の低下や早期の離職につながるかもしれません。また、費用をかけたわりには効果がなかったと感じる可能性もあるでしょう。
一度の研修ですべてを理解するのは難しいため、フォローアップ研修を開催するのも有効です。フォローアップ研修により、最初に学んだことをさらに深く理解でき、知識の定着度も良くなります。配属先でのさらなる活躍も期待できるでしょう。
研修会社に相談する
研修会社に相談すると同業他社の状況やトレンドが分かります。研修会社は多くの企業や新入社員を知っているため、それぞれの会社に合った研修方法のアドバイスが可能です。
新入社員研修の内容
新入社員研修で学ぶ内容は、以下の内容が一般的です。
- 企業理念や経営方針
- ビジネスマナー研修
- コミュニケーション研修
- ロジカルシンキング研修
それぞれ解説します。
企業理念や経営方針
新入社員研修では、自社の企業理念や経営方針を学びます。自社が大切にしている価値観や目指す方向を教育することで、各自の役割が理解できます。また、企業の一員になったという自覚や責任感も養えるでしょう。
ビジネスマナー研修
ビジネスマナー研修は、どの企業でも取り入れているメジャーな研修の1つです。新人のうちにビジネスマナーをしっかり身につけると、顧客から信頼される人材になります。会社のイメージアップにもつながるでしょう。
ビジネスマナー研修の平均日数は2~3日と言われています。ビジネスマナーを身につけるためには、背景にある意味を理解しながら、ロールプレイングなどで何度も実践し、定着させるのが大切です。
コミュニケーション研修
コミュニケーション研修では、相手の話をよく聞き、相手を尊重しながら自分の意見を伝える方法などを学びます。コミュニケーション研修においては、1~2日が平均的な日数と言われています。グループワークやディスカッションを行い、実践を重ねながら身につけることが大切です。
ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修では、論理的な考え方を学びます。相手に分かりやすく伝えたり、企画書を作成したりする場合に必要なスキルです。ロジカルシンキング研修は1~2日が多いとされていますが、身につけるには時間がかかります。通常の業務で実践できるように、配属後は上司やOJTが指導するとよいでしょう。また、フォローアップ研修で扱うのも有効です。
新入社員研修の方法
新入社員研修は多くの開催方法があります。以下の内容について、それぞれ解説します。
- 人事部門主催の集合研修
- 外部セミナー参加
- 通信教育やeラーニング
- 配属後のOJT研修
- フォローアップ研修
人事部門主催の集合研修
人事部門主催の集合研修は、もっともメジャーと言えるのではないでしょうか。座学の講義やロールプレイングなどを行い、知識の習得を目指します。
外部セミナー参加
自社では難しい専門的な内容の場合は、外部セミナーを活用するとよいでしょう。外部の講師を招き、社内研修に含めるのも有効です。外部の研修会社は研修の専門家であるため費用がかかりますが、高度な内容が学べます。
通信教育やeラーニング
通信教育やeラーニングは新入社員のペースで進められるのが魅力です。また、集合せずに行えるため、会議室や交通費、宿泊費などのコストが抑えられるメリットもあります。
通信教育やeラーニングは取り組みが後回しになりがちなため、期限を決めて定期的にリマインドするとよいでしょう。
配属後のOJT研修
新入社員を配属した後、同じ部署のメンバーからOJT担当者を選び、指導を依頼しましょう。一緒に実務をこなしながら学べるため、現場の知識やスキルが習得できます。
希望していた部署と配属先が異なる、自分がやりたい業務ではなかったなど、配属後は新入社員のモチベーションが下がっている場合があります。上司やOJT担当者が積極的に新入社員とコミュニケーションを取り、やりがいを持ってもらえるように心がけることが大切です。
フォローアップ研修
新入社員研修を数カ月行った程度では、スキルを完全に定着させるのは難しいと言われています。そのため、研修の振り返りや現在の業務の洗い出し、課題を解決する方法をフォローアップ研修で行います。
フォローアップ研修は新入社員研修が終了し、3カ月程度経った頃がよいでしょう。久しぶりに新入社員同士で集合する機会ができ、配属先の業務でうまくいったことの報告や、悩みの相談、解決も可能です。また、同期の業務を知るのも勉強になります。
新入社員研修を成功させる方法
新入社員研修は限られた時間で、できるだけ効果的に行う必要があります。新入社員や配属先に満足してもらえる研修が開催できれば、成功したといえるでしょう。新入社員研修を成功させる方法は以下のとおりです。
- 予習と復習をしてもらう
- オンライン研修を活用する
- フォローアップ研修を開催する
- 研修会社を活用する
予習と復習をしてもらう
研修資料を事前に配布し、予習と復習をすると効果的です。eラーニングを活用するとPCやスマートフォン、タブレットで学べるため、隙間時間での学習も可能です。予習と復習を定着させると、研修のさらなる効果が期待できます。
オンライン研修を活用する
オンライン研修は各自の予定に合わせて参加でき、通勤の車内やちょっとした休憩時間などでも勉強できるのがメリットです。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットからでも研修に参加できるため、手軽に勉強できます。予習や復習もしやすく、知識の定着に有効です。
また、研修会場の手配や交通費、宿泊費のコストがかからないため、企業にとっても大きな利点といえます。
フォローアップ研修を開催する
新入社員研修が完了してしばらく経った後に、フォローアップ研修を開催しましょう。一度研修を行ってもすべてを理解できていない場合が多く、実務でうまく活かせていない可能性もあります。
フォローアップ研修の状況は翌年度の研修を検討する際にも活用できます。新入社員の理解や定着が難しかった箇所は、次年度の研修で強化するとよいでしょう。
研修会社を活用する
新入社員研修を行う際は、研修会社を活用するとよいでしょう。多くの企業の研修や教育を専門に行なっているため、あなたの企業に合う方法が必ず見つかります。最近の傾向や実績を考慮しながら、それぞれの企業に適した提案ができるため、新入社員のレベルアップに役立ちます。
新入社員の研修期間に関するまとめ
新入社員研修の一般的な平均期間や研修期間を決める方法、研修内容などについて解説しました。
研修の平均期間は1カ月から3カ月が一般的ですが、事務系と技術系で異なります。技術系はより専門的な知識が必要なため、事務系よりも研修期間が長くなる傾向があるからです。
新入社員研修の期間は以下の方法で決定します。
- 研修の目的やゴールを設定する
- 研修内容を決定する
- 研修内容を考慮して計算する
また、研修期間を決めるポイントは以下の3つです。
- 研修内容を一覧にして判断する
- 詰め込みすぎないようにする
- 研修会社に相談する
一般的な新入社員研修では、経営理念や経営方針、ビジネスマナー、コミュニケーション、ロジカルシンキングを学びます。
また、研修方法については人事部門主催の集合研修、外部セミナー参加、通信教育やeラーニング、配属後のOJT研修、フォローアップ研修の5つがあります。
新入社員研修を成功させる方法は、以下の5つです。
- 予習と復習をしてもらう
- オンライン研修を活用する
- フォローアップ研修を開催する
- 研修会社を活用する
効果的な新入社員研修を開催するために、上記のポイントをおさえながら期間等を検討しましょう。
社内では判断が難しいと感じた場合は、プロの研修会社に依頼すると効果的です。新入社員研修でお困りの際は、弊社までぜひご相談ください。
コメント