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ビジネスマナー研修とは?内容と最大限の効果を得るポイントを解説

感じのいい温かい笑顔と細やかで行き届いた態度の店員さんと出会うと、爽やかな風を浴びたような気がしてきますね。そして丁寧に商品の良さを説明してくれると、思わず購入してしまったという経験をされたことはないでしょうか?

またそんな接客を教育したお店も称賛したくなるものです。

ビジネスの現場でも同じです。

いわばビジネスマナーは快適な職場には欠かせないエッセンスといえるでしょう。

各職場ではビジネスマナーを身に着けるため、ビジネスマナー研修を開催されている所も多いのではないでしょうか。

それでは一体、ビジネスマナー研修で具体的にどんなことが学べるのでしょうか?

ビジネスマナー研修を開催する際の重要なポイントはどんなことでしょうか?

また失敗しないで成功するビジネスマナー研修とはどんなものでしょうか?

ビジネスマナー研修が及ぼす効果とはどういうものでしょうか?

これらの点について一緒に考えていければと願っています。

ビジネスマナー研修とは?

ビジネスマナーにはビジネスの場に応じた作法や立ち居振る舞いがあります。ビジネスにおける人間関係を良好なものに築くかどうかは重要なことで、そのための方法を学ぶ研修のことです。

ビジネスマナー研修では、会社の一員として当然身に着けておくべき意識や態度などのスキルを学べます。

ビジネスマナー研修の目的と未然に防げるリスク

ビジネスマナー研修で習得したい目的の中で、特に3つの心構えは大切です。
それは「相手を尊敬し迷惑をかけない」「相手を思いやり好感を与える」「相手に感謝する」ということです。
ビジネスマナー研修では、この3つの心構えを丁寧に伝えてもらうことが必要でしょう。

そしてビジネスマナーの5大要素といわれる、表情、挨拶、身だしなみ、言葉遣い、態度なども研修で得られる目的です。

なにより、相手やお客様への敬意を表すことはビジネスマナーの本質といえるでしょう。

それは、清潔感、素敵な笑顔、適切で丁寧な対応といった形で表れてきます。

こうした心構えや要素は、取引先だけでなく社内の上司や仕事仲間から信頼感を得ることに繋がり、さらに安心できる仲間として認識され、仕事をスムーズに進めることに寄与します。

またビジネスマナー研修の実施で、基本的なビジネススキルが身につくだけでなく、重要な取り引き先に良い印象も与えられるようになり、反対に失礼があって契約が取り消しになる最悪のリスクも減らせます。

さらに研修によっては、技術的なスキルアップや資格の取得、自己開発などの成果も期待されています。

それでビジネスマナー研修の目的は、3つの心構えと5つの要素や本質を学べ、リスクを未然に防げることです。

新人社員だけではない研修対象者

ビジネスマナーの研修対象者は、学生から社会人になったばかりの経験が少ない新人社員だけではありません。

ビジネスマナーを心得ているはずの中堅社員やベテラン社員も必要とされています。


その理由として、年月が経過してマナーの知識や作法が記憶から薄れているケースがあるからです。また過去に受けた研修内容が「型」を中心としており「考え方」を学んでいないため、臨機応変に状況に適応できないことも考えられます。

そして時代や状況によってビジネスマナーも変化しています。以前に当たり前であっても現代では通用しないケースもあるでしょう。


役職を持つ社員やベテラン社員は、見本であるべき存在ですから、改めて学びなおす必要があります。

また、中途採用者や外国人社員の場合も、業界や国籍などの文化の違いや考え方を調整してもらうためにもビジネスマナー研修は効果的といえるでしょう。

ですから、ビジネスマナー研修は新入社員のものという固定概念は外す必要がありますね。

ビジネスマナー研修を成功させる3つのポイント

下記にビジネス研修を実施するポイントを3つ説明します。

  1. 研修成功のカギは講師の選び方で決まる
  2. 研修後も実践の機会を作る
  3. TPOに沿った対応力を教育する

それでは説明していきたいと思います。

研修成功のカギは講師の選び方で決まる

ビジネスマナー研修を実施する際には、どんな講師を招くかは研修の成功のカギといってもいいでしょう。


ビジネスマナーの知識が豊さは、講師の優秀さとは比例しません。
たとえば。厳しすぎて社員と相性の合わない場合は、受講する側のストレスとなり、ちっとも身につかない結果に終わることがあります。


ですから講師を選ぶ際には、模擬で少しだけ講義の様子を実演してもらったり、これまでの実績や受講者からの評判も確認した方がいいでしょう。


また自社の業界・業種への理解があり、ニーズに合わせた研修が可能かどうか見極めることも大切です。


講師の選定は、経歴や肩書きだけでなく、講師の持つ人柄も考慮にいれた選び方をしてください。

そういった講師選びは、ビジネスマナー研修を成功させる第一歩といえるでしょう。

研修後も実践の機会を持つ

ビジネスマナー研修は、知識や「型」(作法)だけを詰め込むだけで終わってはなりません。


なぜなら、研修でマナーを学べても、それを実践したり応用して活用できるようになってこそ、初めて価値があったといえるからです。
中でも新入社員は実戦経験が少ないことで、応用力に欠けることが多いものです。


それで、ビジネスマナー研修を受講するだけで終了するのではなく、実践できる機会を設けることも大切なポイントといえます。


そのため、ケーススタディなどで実際に起こりえる場面を想定して訓練をおこなったり、OTJで社内で実務を通して研修内容を振り返ったりすることをおすすめします。


こうして社内で経験の浅い新入社員をフォローし、学んだことを完全に習得できるよう支える体制を整えるのは行き届いた社内教育で、ビジネスマナー研修を成功させるのに役立つでしょう。

TPOに沿った対応力を教育する

ビジネスの現場では、型通りの対応では済まないことがほとんどです。マニュアルが完備され基本的な対応や手順が書かれていても、実際には予想外のことが起こりうるのがビジネスの現場です。


ビジネスマナー研修でも、ビジネスマナーの「型」を覚えるだけに注意を集中するのではなく、TPOに応じた対応力を教えなければなりません。


たとえば電話対応でのクレーム処理など、一方的にまくしたてる相手や理不尽なことを言われる場合を想定した教育が求められたりします。


どんな場合でも、柔軟性を示し「相手にとって一番最善なのはどうすることなのか」という、相手への配慮や周囲の人への気遣いを忘れないようにすることがビジネスマナーの基本といえるでしょう。


いろんな場合をすべて一度にマスターすることは難しいですから、少しずつTPOに合わせた研修を進めていくのが大切で、ビジネスマナー研修を成功させる要素となります。

ビジネスマナー研修の内容

ビジネスマナー研修では、正しい敬語の使い方・間違いやすい言葉やビジネス用語、良い印象を持たれる言葉遣いなどを学びます。


さらにビジネスに適した声のトーンや話すスピード、内容に合った表情、集中して聞いてもらう話術などの具体的なレクチャーを受けます。


ロールプレイング形式で、現実にありがちな模擬場面を設定して、対処法などを演じることで、内容の習得具合を実践しながら確認していきます。

ビジネスマナー研修で学べる具体的なスキルとは?

下記の7つのスキルを学びます。

①社会人としての意識

学生気分を抜き社会人になるという意味、会社の規範、ビジネスを行っていく上での取り組み方を学びます。

②身だしなみ、挨拶、態度

お客様から好印象を抱かれる清楚な身だしなみ、にこやかな表情、丁寧な態度といった基本的な動作を学べます。

③言葉遣い、話し方

相手にハキハキと分かりやすく正しい情報を伝え、好感を持たれる印象を残す言葉遣いを選び、尊敬語・謙譲語・丁寧語を使いこなすビジネスに必要な話し方を身に着けます。

④電話応対

電話をする際に発声方法に気を付け、相手が聞き取りやすい話し方や、電話の受け方、掛け方、取り次ぎ方法のマナーを学習します。

⑤ビジネス文書、ビジネスメール

正しく意味の伝わる文書の作成方法や、社外と社内の文書を書き分ける力を身に付けます。

⑥名刺交換

名刺入れを持つことや名刺を受けとったり渡したりする扱い方、受け取った名刺の置き方などを学べます。

⑦職場でのコミュニケーション

話の聞き方やしっかり理解する力を身につけ、周囲とのコミュニケーション能力を磨きます。

「報告・連絡・相談」のビジネス仲間同士の基本を身に着けられます。

ビジネスマナー研修を失敗に終わらせない3つのポイント

ビジネスマナー研修で起こりがちな失敗は、作法などの「型」だけを教えるだけにとどまった研修で終わることです。
ですから前もって、受講者に研修に伴う目的や意図を伝えておくことで、実践に使える応用のきいた訓練を主体的に身に着けようという意欲の伴った研修にすることができるでしょう。

  1. 研修の目的や背景を明確にする
  2. ロールプレイング形式で実践的に習得する
  3. 振り返りやフィードバックの機会を設ける
    下記に詳しく説明します。

研修の目的や背景を明確にする

研修の目的や背景を受講生に明確にしておくことで、主体性をもって研修に取り組めます。


研修の目的は、会社側や取引先との信頼関係を築くこと、そして研修を行う背景として、相手や状況によって異なる事態に対処すべき必要性を伝えておきます。


そうした目的や背景を理解すると、受講生も「状況に合わせた対応力と判断力」を身に着けるべきことを理解し、意欲的に研修に取り組めるでしょう。

それで、ビジネスマナー研修を受けたはいいけど、なんとなく研修が終わってしまったという失敗を防げます。

ロールプレイング形式で実践的に習得する

座学で学んだだけでは、実践に必要な状況に合わせた判断力は身に付きません。


ビジネスマナーは相手や状況によって異なってきます


ただお辞儀をすることでも、ある場面ではもっと深いお辞儀が必要とされる場合があります。


ですから、いろんな状況を想定して実践訓練ができるロールプレイング形式を取り入れることで、想定される実際的な体験を通じ特定の場面で「なにが必要で、できていないところはどこか?どうすればいいのか」を考えることで、実践で活用できるビジネスマナーが身に付きます。


またお辞儀や名刺交換、電話応対などの作法は、自然に癖がつくレベルまで反復練習するといいでしょう。

それで実践形式で習得できるならビジネスマナー研修を成功といえます。

振り返りやフィードバックの機会を設ける

研修後の振り返りやフィードバックは、受講した内容が本当に身についているかどうかを見極める判断材料になります。


合格点が出せなかった受講生がいる場合があるなら、振り返って内容を見つめ直さないと「自分は身についている」と勘違いをして満足してしまうことがあります。


ですから誰でも振り返りやフィードバックの機会を設けることで、学んだことを実際に身につけるまで、自分に足りていないことが何か気づいてきます


研修して終わりではなく、研修後に振り返り、実務に実際の効果を確認するまでを研修計画に盛り込んでおくのは大切なことです。

研修で不合格者がでれば、内容を改善でき研修の質を向上させる必要から、ビジネスマナー教育の継続性が求められてくるでしょう。


継続したビジネスマナー研修は、研修自体の効果や価値を高めることに繋がり成功といえます。


一朝一夕では身に着けるのが難しいビジネスマナーへの認識を深めていきましょう。

ビジネスマナー研修が及ぼす2つの効果

企業がビジネス研修を行うことで得られる効果を2つご紹介します。

  1. 企業イメージを向上させる
  2. 顧客や取引先と良好な関係は業績向上につながる
    下記に詳しく説明します。

企業イメージを向上させる

企業イメージは、社内にいるすべての人が企業の顔となって決まります。


なぜなら社外から見れば、その会社にいる人はみな同じ社員と見なされ、社長などの役職であっても新入社員であっても関係ないからです。


「新入社員だからすみません」では済まされないのです。ですから企業で働くすべての人のマナーの良し悪しで企業イメージがきまりますから、企業全体でビジネスマナー研修を受けることは、重要なことといえるでしょう。

顧客や取引先と良好な関係は業績向上につながる

ビジネスマナー研修で、正しいビジネスマナーを身に着けることで、顧客や取引先や事業の関係先と良好な関係を築け、満足度を高められるでしょう。


ビジネスマナーは、言葉の選び方や話し方、細かな動作まで意識して人としての温かい気遣いができるようになりますので好印象を与えます。


そうして顧客の信頼や満足度が高まることで、企業の業績を伸ばし繁栄させることにも繋がるでしょう。


また反対に、いくら社内で有能な者でも、外部で不適切で失礼な発言があれば、企業の信頼は簡単に崩れ去ってしまいます。


ですからビジネスマナーは企業の根幹部分ともいえますので、軽く見ないでビジネス研修の重要性と及ぼす効果を認識していきましょう。

まとめ

ビジネス研修の目的は、快適な職場関係や企業の顔としてのイメージの好感度を上げることです。

新入社員のみならず、役職についている社員も時代に即した適切なビジネスマナーが求められています。

そして社内でビジネスマナー研修を行う場合に成功させたり失敗させたりするポイントをご説明してきました。

ただ単に作法としての型を学ぶだけでなく、実践に活用できる応用力を身に着けることは重要です。

なぜなら、状況も人も違ってくる場面に対し、即座に最適といえる対応が求められてくるからです。

実践に適応できるビジネスマナー研修は、繰り返して現実に起こりそうな場面を想定したロールプレイング形式が有効です。また振り返りフィードバックする環境を研修後にも整えることで、ビジネスマナーを習得する助けとなるでしょう。

この機会に企業を上げてビジネスマナーの向上に力を入れて業績アップに繋げて行ってください。



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記事の監修者
   ビジネストレーニング事業部
   

ビジネストレーニング事業部

社員研修の専門家チーム。数多くの研修プログラムを開発し、中小企業から大手企業まで200社以上の実施実績がある。 それらのノウハウをまとめた「ビジネスパーソンのためのボトルネックブレイクⅠ」「ビジネスパーソンのためのボトルネックブレイクⅡ」等の著書も出版している。